優しい先輩________
最近、私はファミレスのバイトを始めた。
そのバイト先に今江先輩という先輩がいる。
「おはようございますー!」
そう言って事務所に入る。
「おはよう!あ、ねねちゃんやん!」
「あ、今江先輩おはようございます!」
「今日俺が横付いて教えるし、分からんことあったら何でも聞いてな!」
「ありがとうございます!」
やった、気になってる今江先輩と一緒にバイトできる!!
この時はそう思っていた。
「じゃあ、とりあえずオーダー取るところから始めよか」
「はい!」
「2名様でよろしかったでしょうか?5番テーブルでお願いします!」
「こんな感じかな!」
今江先輩特有の優しい声と笑顔でその後も次々と接客をしている。
「じゃあ、次ねねちゃんやってみてくれる?」
そう言われ私も今江先輩と同じようにやってみる。
「おお!できるやん^^ねねちゃん期待の新人やな!」
「いやそんなことないですよ!( 笑 )」
そんな会話をしていた。
「じゃあ次出来上がった料理運ぼか!」
「はい!」
その後も次々と仕事をしている今江先輩を見てかっこいいなぁ…と思っていた。
そんなぼーっとしていた私が悪かったのか。
お客さんとぶつかってお皿を割ってしまったのだ。
「どこ見て歩いとんねん!ちゃんと運べや!」
「すみません!本当に申し訳ないです。」
そこに今江先輩が飛んでやって来た。
「申し訳ないです。お怪我ないですか?失礼しました。最近入った新人なので」
「気をつけろよな、ちゃんと指導しとけよ」
そのお客さんはそう言って帰って行った。
その日バイトが終わってから事務所で、
「ねねちゃん、あれはあかんと思うで、ほんまに怪我してはったらお店にも迷惑掛かると思うし」
まさかあの優しい今江先輩から怒られると思っていなくて、涙が止まらない。
「ほんまに、、すみません、、以後気をつけます、、」
「そんな、泣かんといて!ごめん、俺の言い方がきつかったかな?」
「いや、、ミスした私が悪いんです、、謝らないでください、、」
「そうか、、あんまり落ち込まんといてな?
次から気をつけよ!もうやっちゃったことは仕方ないし、な??」
そう言われ、すこし元気になった。
「ほら!笑って!可愛いねねちゃんの顔が台無しやで〜」
そう言われ、頭をくしゃくしゃされる。
優しい今江先輩も怒るんだ、、
そんなギャップにキュンとしたバイトだった。